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離発着時のなぜ?を解明

飛行機が離着陸するとき、シートを戻したり、やらなければならない事がたくさんありますよね。当然それらには「理由」があります。これらを理解すると、飛行機に乗るときに「面倒だなぁ」と思わずに指示に従えるかもしれません。

魔の11分間

フライトで一番危ないと言われているのが、離発着時の11分間です。離陸の3分、着陸の8分間。この間に70%の航空機事故が起こっていると言われています。雪や突風など天候の影響、鳥の衝突、操縦がマニュアルに切り替わることによるヒューマンエラーなど、危険な要素が増加し、事故が起こりやすくなる時間帯です。

全ての航空機で離発着時になるとシートベルトサインが点灯されますね。それを目安にシートやテーブルを戻したり、スマホを充電プラグから外したりすると思います。コマンドを確認したら、CAはキャビンに出向きお客様が安全に離着陸できるかチェックしに行きます。この時キャビンが「最短に航空機を脱出できる準備状態か」確認しにいくのです。私たちは90秒間で乗務員を含む全ての人を航空機から脱出させなければならない訓練を行っているからです。

なぜ充電プラグを外さないといけないの

たまにお客様に聞かれる質問。離発着時は「最短に航空機を脱出する準備」をしなければならないとき。そんなときに発火して火事でも起こしたら、もっと脱出が遅れてしまいます。スマホやノートパソコン、タブレット内臓のリチウムイオン電池は充電時に発火事故が多いため。少しでも危険と思われる可能性があるものは使用NGとしています。

なぜキャビンの照明を暗くするの

夜間飛行の離発着時はキャビンの照明を落とすようにしています。夜間に緊急着陸する際、突然停電が起こったとします。目がまだ慣れていないため、脱出する際に周りが見えなくなる恐れがあるからです。暗闇で光る誘導テープが床に貼ってありますが、それだけでは不十分。読書灯を使って作業するのも良いですが、なるべく目を暗い状態に慣らしておいた方が脱出がスムーズになります。

その他

シートベルト着用はもちろん、座席の背もたれ、テーブル、肘掛を戻す作業は脱出をよりスムーズにするため。荷物も邪魔になるので前の座席の下もしくは座席上の物入れにしっかり入れます。(膝の上は他の人の迷惑になるのでNG)イヤホンも自分のデバイスに繋げているなどアナウンスが聞こえない状態だとNGです。理由は緊急時にキャプテンが突然アナウンスをする場合があるからです。

サイレント・レビュー

離発着時、キャビンの安全をチェックすると、担当ギャレーのチーフ→パーサー→キャプテンという順番で報告します。そしてジャンプシートに着席。この時も座っているだけではなく、サイレント・レビューという作業を行わなければなりません。もし航空機が緊急着陸した際どうすれば良いかの手順をおさらいする時間。その際コマンドも復習します。当然声に出してはいけないので、マニュアルやチェックリストを読みながら、頭の中で考えながら、CAによってスタイルは違いますがそれを行います。私も毎回気が引き締まる瞬間です。

まとめ

航空機はいったん空に出てしまうと完全に閉ざされた空間になってしまいます。何か起こった際、厳しい訓練を突破してきたCAやパイロットたちが最善を尽くしますが、それと共にお客様の協力も必要になります。航空機事故なんてよほどのことがない限り滅多に起こりませんが、何にでもゼロという可能性はありません。その時にどうやって対処できるかが私たちに掛かっています。これからも乗務員とお客様で助け合って安全なフライト環境を作っていけますように…心から願います!!

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