こんにちは。今日は私がアメリカ・シリコンバレーでUXデザイナーとしてスタートアップに加わった経緯と、そこで得た学びについてシェアしたいと思います。
目次
UC Santa Cruz ExtensionでUXを学ぶ
2022年、私はシリコンバレーにある UC Santa Cruz Extension のUXプログラムに通っていました。
このプログラムでは、UXリサーチ、ユーザーフロー設計、プロトタイピング、ユーザーテストなど、UXの基礎から応用までを集中的に学びました。
そして幸運なことに、在学中から「インターン」という形で、あるスタートアップで実務経験を積む機会を得ました。無償ではありましたが、ポートフォリオに実績として載せることができ、大きな第一歩となりました。
卒業後にはOPT(1年間の就労ビザ)が発行され、その会社から正式にオファーを受けて働き始めました。
ミートアップがきっかけでチャンスをつかむ
アメリカでのUX就職活動では、ネットワーキング=すべてとよく言われます。
私も最初は人前で話すのが苦手でしたが、「動かないと始まらない」と思い、UX関連のミートアップに足を運びました。
サンノゼやサンフランシスコ周辺では、メタ(旧Facebook)やアップルなどのデザイナーが気軽に参加するミートアップが多数あり、実際にメンターとしてアドバイスをくれる方にも出会えました。
UXミートアップ
その中でも転機になったのは、マウンテンビューで開催されたUXミートアップです。
そこに参加していたスタートアップのCEOと偶然話すことができました。彼は某日本IT企業出身のフルスタックエンジニアで、自社プロダクトのUX改善に興味を持っているとのことでした。
その場で、私がUXを学んでいること、自分で制作したプロトタイプやポートフォリオを見せたところ、後日「一緒にプロジェクトをやってみないか」と連絡をもらいました。
その他グループ
他にも「日本語に興味がある人」のミートアップや、趣味のクラシックピアノ、シリコンバレーの読書会など、UXに関係がなくても知り合う人たちはIT企業の人ばかり。しかもエンジニアやマーケティングなど、いろんな職種の人と話す機会があるので人脈作りにもってこいです。
UXデザイナーにとって、ポートフォリオはすべて
UXデザイナーを目指すうえで、ポートフォリオは命です。
私は大学のプロジェクトだけでなく、自分で企画・デザインした「パッション・プロジェクト」も掲載しました。
デザインのセンスや思考プロセス、どんな課題をどう解決したのかが一目で伝わるよう意識して作り込みました。
スタートアップでのUX業務:スピードと実践
実際に働くようになってからは、主にソフトウェアエンジニア向けのコラボレーションツールのUX設計を担当。
- ダッシュボードの構造設計
- UI/UXのプロトタイピング(Figma)
- ユーザビリティテストの実施
- 改善案の提案と実装サポート
スタートアップならではのスピード感と柔軟さの中で、常に試行錯誤の連続でした。
特に印象的だったのは、エンジニアとの意見のすり合わせです。
「機能が大事」VS「ユーザーが迷わないUIが大事」
どちらも正しい。でも視点が違うからこそ、衝突も起こります。
そうした中でも、ユーザーテストや仮説検証を通じて、どうすればプロダクトが使われ続けるのかをチームで何度も議論しながら進めていきました。
現場でしか学べないUXの本質
この経験を通して、「UXとは何か?」という問いに対して、教科書では学べないリアルな答えを体感することができました。
- ユーザーが本当に求めているのは何か?
- そのニーズをどうやってデザインに落とし込むのか?
- 開発チームとどう連携して形にしていくのか?
失敗も多く、迷いもありましたが、だからこそ成長できたと思っています。
これからUXを目指す人へ伝えたいこと
「この業界での実務経験がない」「40代」
という不安を抱えていました。
でも、動いてみたからこそ、今があります。
これからUXデザイナーを目指す方へのアドバイス
- ミートアップには勇気を出して行ってみる(UX Meetups in San Jose / SF)
- ポートフォリオは未完成でも「伝わる形」で用意しておく
- 「私はユーザーの課題を解決したい」という熱意を言葉で伝える