シンガポールの家庭裁判所へ行ってきました!理由は元夫がメンテナンスの支払いを6月末からストップしていたからです。先月また払い始めましたが、離婚証明書に記載してある金額ではなく、それより少ない額を送金してきたためです。私の弁護士によると、このままでは法律上良くないとのことでしたので「メンテナンス支払い命令」を申請しにいくこととなりました。
メンテナンスとは
離婚後、シンガポールでは双方が同意した場合、月々結婚時と同等の生活ができるよう生活費の援助をする場合があります。私たちには子供がいませんでしたが、離婚するときに元夫は「7年間一緒にいたお礼として支払いたい」と申し出てきたのです。最初は断りましたが、私は不安定な航空業界で客室乗務員をしていたので、いつ何が起こるか分かりません。そういう意味でもメンテナンスがあれば、いざという時に役に立つと思い、承諾しました。
シンガポール家庭裁判所
まずオンラインで予約を取り、決められた日時に裁判所に出向きます。さすが裁判所らしく、入館には厳しいセキュリティチェックがありました。コロナが理由でスマホでチェックインしなければならない箇所が2つも!
セキュリティチェックは空港と同じ要領。荷物を金属探知機に通し、ボディチェックも行われます。なんだか乗務に戻った気分。セキュリティによる入念なボディチェックが行われたため、途中で腕を上げると「セキュリティチェック慣れしてますね。」と言われてしまったほど…

メンテナンス申請カウンター
メンテナンスを申請する人が多いのか、専用のカウンターまでありました。それだけシンガポールは離婚が多く、離婚相手からお金をもらっているケースが多く、それを途中から支払わない人が多いのでしょうか。日本の場合これに近いのが養育費ですが、途中から支払わなくなるのが殆どらしいですね。子供がいる場合は特に死活問題です。
シンガポールではとても厳しいです。支払わなくなった場合、家庭裁判所から呼び出しを受けます。その際、収入がないなど支払えない場合はそれを証明してから判事に了承を得るらしいです。私の場合、この申請で裁判を行うことになりました。家庭裁判所から彼の家に正式書類が郵送されます。
ウォークインが意外と多い
裁判所は予約を取ってから入館できるとホームページ上に記載がありましたが、周りを見ているとウォークインで来る人が後を絶たなかったです。殆どが英語を理解しない東南アジアや中国本土の人達でした。シンガポールではご存知の通り、男性の場合、国際結婚が3割を越えます。外国人妻の大半がそのような国の出身の人達です。英語が分からないので、夫に暴力などを受けている場合、どのように申請したらいいのか分からない人が多かったです。このような人たちのためにも彼らの言語を対応している機関があれば心強いですよね。
なるべく避けたかった裁判
本音をいうと、なるべく避けたかった裁判でした。元々、一切共有財産がなかったので、家や車などはもらっていません。これらを申請するとなるとメンテナンスの金額より高額の現金を得ることができましたが、彼から家や車を奪うまではしたくなかったです。この世の中には離婚して家を丸々もらえる人だっていますから…
しかし結婚時に彼の家族から受けた多大な精神的苦痛を考えると、多少何かしら恩恵を受けるべきだと思ったので申請しました。

今後
このメンテナンスは私が次に結婚するまで受け取るつもりです。法律上では一生受け取ることができますが、そこまで心を鬼にしたくはありません。今後新しい人に出会って、新たな人生を始めるときには彼との繋がりを断つもりです。
裁判はZOOMで
彼が裁判所命令に従わず、滞納している金額を支払わない場合は出廷を求められます。これを無視した場合、逮捕されます。シンガポールは狭い国(淡路島と同等)なので、どこにいても見つかってしまいます。裁判はコロナウイルスが理由でZOOMで行われることとなりました。
できるだけ申請したくなかったメンテナンス支払い命令ですが、現在コロナの影響だからなのか、仕事がなく生活に困っているので心を鬼にしてしまいました。帰国することも考えています。これからどうなるか分かりませんが、できるだけのことはやってみよう。以上、シンガポールの家庭裁判所レポでした!