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ホームレスのためのボランティア

皆さんこんにちは。

今回クリスマスイブに食事や衛生用品が必要な人たちのためのボランティアに行ってきました。

サンノゼのホームレス

米住宅都市開発省の報告書(2020年)によると、サンノゼのホームレスは9,605人と全米トップクラス。シリコンバレーの平均年収は約15万ドルと全米平均の2倍を超すともいわれる一方で、ハイパーインフレも相まってあらゆる物価が上昇し、住まいを追われる人が続出しています。

渡米当初は車がなかったのでライトレイル(路面電車)やバスを使いましたが、よく目にするのがホームレスの人々。前々からいましたが、私が感じたのは前より数が多くなったとのこと。真冬の中裸足で電車に乗り込んできた女性には驚愕。薄ら笑いを浮かべながら乗り込み、持ち物を車内で散乱。独り言を叫びながら降車していきました…こういう光景は日常茶飯事です。

何かできることは?

やっと秋学期の授業や課題が終わり、ホッと息をついた頃。寒さで命を落とすホームレスの人たちの記事を目にしました。ホームレスになる理由はさまざま。薬物依存、アルコール依存、精神的な病などで仕事ができない。DVなどの理由で家出等々。アメリカで感じたのは日本より「格差社会」だということ。道を挟んだ向こうは高級住宅街、こちら側は貧困層が住む地域…など区分けがハッキリしています。

「ホームレスになるのは自己責任」と言う意見を耳にしますが、元々自分が置かれた環境から抜け出すことは簡単じゃない。負のスパイラルから抜け出すには、外部の支援も必要なんです。しかしお金を渡すと、それで薬物やアルコールを買ってしまう人が後を絶たない。だからボランティア団体はなるべく支援を食事や衛生用品などを支給するようにしています。

私は23日まで課題の締切に追われていたので、24日にできるボランティアを探していました。友人に聞き、ココを紹介してもらいましたが24日・25日はボランディアお休み。それもそのはず、クリスチャンの彼らにとって最大のイベントデーなので、やってないの当たり前か。

チーム

やっとオンラインで24日でも開催しているボランディア団体を見つけました。場所はギャングやホームレスの人たちが多い東サンノゼ。配車アプリで指定地のコミュニティーセンターへ。すると炊き出しを待っている人がたくさん待機していました。

集まったボランティアは10人くらい。さすが人種のサラダボウル、サンノゼ!ベトナム系、ラテン系(南米)など様々。日本人は私一人だけ。ご近所の教会コミュニティから来てる人や、私のようにオンラインで見つけて来た人、高校生で課外クレジットが欲しい生徒が参加してました。

既にボランティア団体の人が用意してた衛生キットの袋に「歯ブラシ・歯磨き粉・制汗剤・タオル・カイロ・靴下(2足)」を詰めます。女性用はタンポンやヘアブラシなども付けます。お年寄りや薄着の人には防寒用のブランケットを支給。炊き出しはボランティア団体の人が用意した「ベトナム風春雨」に温めたスープを足して渡します。

 

なぜベトナム料理?と聞いてみると、

ボラ「東サンノゼは世界最大のベトナム系のコミュニティがあるのよ。ボランティアする側も支援を受ける側もベトナム系がいる。」

との事。

クリスマスイブに春雨か…笑 なんだか多様性豊かなアメリカらしいな。

 

この前廃車アプリで運転手だったお爺さんを思い出しました。

運「俺はベトナム戦争の時にボートで国を脱出したボートピープルなんだ。俺のようにアメリカに亡命した人はゴマンといる。」

アメリカには命からがら母国から逃げてきた難民がいます。最近だとアフガニスタン。アフガニスタンの米国大使館でガードマンとして働いていた運転手さんがいました。他にもカンボジア人やモン族(迫害された)など。私の前の大家さんはタタール人(イスラム教徒)で、ロシアで迫害を受け日本経由でアメリカに移住。いろんな人がいるもんです。

ベトナム系アメリカ人

しかし、より良い環境に亡命してきたはずのアメリカで貧困に喘ぐ人たちがいます。今回支援を受けにきたベトナム系の人たち。全く異なる言語、文化、環境のアメリカで生きていくのは簡単じゃない。ましてや自ら希望して移住してない場合、いくらコミュニティや家族の結束が強くても、アメリカに適応するのは容易じゃないんです。

炊き出しをしている時にベトナム語で話しかけてきたお婆ちゃんがいました。英語が話せないそうです。ずっとベトナムのコミュニティ内で生きてきたから。家はあるという。このようにホームレスになるほど困窮することはないけど、日常生活がままならない人はたくさんいるらしい。

「歯ブラシが欲しい」

目がうつろな白人のお爺さんがやってきました。歯ブラシと歯磨き粉、靴下が欲しい…と。袋から出して一緒に確認し、衛生キットを渡すと「ありがとう…」と虚ろな目のままフラフラと歩いて行きました。

 

テレビ局

SFベイエリアの地元のテレビ局の取材を受けました。

ボランティア団体の人がインタビューを受けていて、ホームレス化の現状や支援が必要な人たち、支援食を作るフードトラックについて話していました。

アメリカではクリスマスイブは日本で言う大晦日。この日も支援を続けていて素晴らしいと称賛されていました。明日のクリスマスも支援活動は続けるそうです。

 

クリスマス・イブ

ボランティアが終わったあと、友人とクリスマスの飾り付けを見にいきました。サンノゼではウィローグレン地区が有名。地域こぞって共通の飾り付け(今年はキャンディケーン)を飾り、その他独自の好みで装飾を行います。その帰り道、車で暗闇の歩道に佇む車椅子のお爺さんが。大量の荷物を吊るしていたので、多分ホームレスです。この世界には希望はあるの?

色々なことを考えさせられた一日でした。

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