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サンフランシスコ郊外・バーリンゲームの歴史と観光スポットまとめ

バーリンゲーム市の歴史:地震避難民から閑静な住宅街へ

バーリンゲームはサンフランシスコ半島の閑静な街で、歴史的建物と緑豊かな住宅街が特徴です。サンフランシスコ国際空港から車で5分ほどの便利な立地にあります。

  • 創設:街の名前は19世紀のアメリカの外交官、アンソン・バーリンゲームに由来。本人はこの地を訪れたことはありません。

  • 1906年の地震:サンフランシスコ大地震後、多くの住民が安全な半島地域に移住。これが街の発展につながりました。

  • 高級住宅街としての発展:鉄道網整備により、裕福な市民が通勤可能な住宅地を形成。

💡 トリビア:バーリンゲームの街路には18,000本以上の街路樹があり、「木の街」とも呼ばれています。

バーリンゲームアベニュー:現代の文化とおしゃれスポット

  • ショッピングとグルメ:アップルストアやおしゃれなカフェ、レストランが集まる

  • 音楽と文化:週末にはジャズバンドの演奏などイベントも開催

  • 歴史と現代の融合:歴史的街並みの中で、現代文化やライフスタイルを楽しめるエリア

コペンハーゲンベーカリー

コペンハーゲン・ベーカリー

なかでも地元で長年愛されているのが コペンハーゲン・ベーカリー(Copenhagen Bakery & Cafe)」。1977年創業のこのベーカリーは、デンマークをはじめとした北欧の伝統的なペストリーやケーキを楽しめる人気スポットです。

1977年にデンマーク出身の兄弟、ラルフ(Ralf Nielsen)とベン(Ben Nielsen)によって創業されました。兄弟はデンマークのコペンハーゲン生まれで、幼少期にアメリカへ移住。ラルフは成長後にデンマークへ戻り、おじ・祖父が営むパン屋で技術を学びました。

その後、1977年にバーリンゲーム・アベニューにあった「Francis Pastry Shop」を買い取り、地元のレシピを引き継ぎながら、北欧伝統のペストリーやサンドイッチを提供するベーカリーへと発展。兄弟の家族全体が肉屋や食料品業界に関わっていたことから、食の伝統は深く根付いているそう。

店内にはカフェ・レストランスペースもあり、朝食やランチ、ディナー、ティータイムにも利用可能。特に有名なのは「プリンセスケーキ」と呼ばれる北欧伝統のケーキで、ふわふわのスポンジとカスタードをマジパンで包んだ華やかな逸品です。図書館やエルカミーノ・レアルのユーカリ並木を散策したあとに立ち寄るのにぴったりの場所。

🧁 トリビア:兄弟が幼少で渡米した際、バーリンゲームの雰囲気が「故郷の村に似ている」と感じたそうで、創業にあたってその田舎風の温かさを意識したといいます。

このように、移民として来たデンマーク人による本格的な北欧ベーカリーの創業であり、地元の食文化に深く根ざした店なのです。多様性が豊かなバーリンゲームらしいですね。

おすすめバタークッキー、マカロン、デニッシュ、ナポレオンパイです!パンも美味しく、サラダを頼むと小さな丸パンが付いてきます。ちなみにセルフのコーヒーはお代わりし放題で4ドルちょっと(2025年現在)と良心的。おすすめはチョコレート風味のコーヒー豆です。

バーリンゲームの図書館巡り:歴史と検閲の記録

バーリンゲーム図書館

  • 1931年に建てられたルネサンス形式。何度も映画などのロケ地候補になり、撮影スタッフが下見に訪れたのだとか。

  • 特徴:クラシカルで落ち着いた建物。子ども向け絵本、日本語書籍も所蔵。

  • 検閲コーナー:「Stop 1985 Censorship」では、アンコル・トムの小屋やライ麦畑など、1984年頃に検閲対象となった書籍を紹介。奴隷制、人種差別、性表現、LGBTQ描写が問題視されました。

イーストンブランチ図書館

イーストン支所・図書館

  • 建設年:1927年、ノース・バーリンゲーム婦人会の会館として建設

  • 図書館転用:1943年支所として利用開始、1947年に市の所有に

  • 建築様式:プエブロ・リバイバル様式

  • 特色:地域密着の読み聞かせや歴史展示など。女性会館から図書館へ変貌したユニークな歴史が魅力。

鉄道と交通の歴史

  • バーリンゲーム駅:1894年、サザン・パシフィック鉄道によって建設。サンフランシスコ–サンノゼ間の輸送網の一部

  • サンフランシスコ・サンタクルーズ鉄道:1875年設立、農産物・地震後の建設用の木の運搬(レッドウッドなど)・旅客輸送に貢献

  • 住宅街発展の鍵:その当時、まだ車が普及していなかったため。鉄道整備により都市通勤可能な住宅地が広がりました。

歴史的住宅街:イーストン・アディションとミルズ・エステート

  • イーストン・アディション:19世紀末、イーストン家牧場を分割して開発。歴史的建物が多い住宅街。私が子供の頃に住んでいた家は1925年築の築100年。それくらいの築年数の家が点在。サンフランシスコ大震災で被災した人たちが多く移り住んできたのだとか。当時の馬車道が残っています。

  • ミルズ・エステート:1860年代にダリアス・オグデン・ミルズが建設した壮麗な邸宅(ミルズ・マンション)が起源。42室、人工湖、庭園を備えるも1954年火災で焼失。その後住宅街として発展。敷はミルズ病院、スプリングバレー小学校、ミルズ高校になっています。

エルカミーノ通り・レアルのユーカリ並木(Eucalyptus Trees)

  • 起源:1870年代、風よけとしてオーストラリアから導入。また大地主で銀行家だった Darius Ogden Mills(ダリウス・オグデン・ミルズ) が、自身の大邸宅(Mills Estate)周辺の景観を美しく整えるために、ユーカリの木を大量に植えました。

  • 当時のカリフォルニアでは、ユーカリは「成長が早く、木材になる」と期待されて導入されましたが、実際は材質が弱く建築には不向き。しかし、街路樹や防風林としては優秀でした。

  • Mills Estate の広大な土地の一部が現在の El Camino Real(エル・カミーノ・レアル) に面しており、そこに並木として植えられたユーカリが、街の発展とともに「Burlingame の象徴」として残ることになりました。

    なぜバーリンゲームにだけ残ったのか

    • サンマテオ郡内でもユーカリは各地に植えられましたが、都市開発や道路拡張で多くが伐採されました。

    • バーリンゲームの場合、住民や市が「街のアイデンティティ」として並木を守る姿勢が強かったため、現在でも数百本が保存されています。

    • そのため、 「El Camino のユーカリ並木といえばバーリンゲーム」 という唯一無二の存在になっています。

  • 課題:成長に伴い、歩道のひび割れや倒木などの問題が発生

  • 再植樹計画:カルトレイン鉄道と市が代替品種(ユーカリ・シトリオドラなど)を植樹し、安全性と景観を両立予定

  • 歴史的価値:2012年、National Register of Historic Placesに登録

まとめ:歴史と現代文化を楽しむ街

バーリンゲームは、クラシカルな図書館、鉄道史、歴史的住宅街、ユーカリ並木、現代文化を楽しめるバーリンゲームアベニューまで、街全体が歴史と文化の宝庫です。

図書館巡りや街歩き、カフェ散策を通じて、バーリンゲームの歴史と現代を一度に体験できるスポットです。是非足を運んでみてくださいね!

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