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【サンフランシスコ観光】コイトタワー完全ガイド|歴史・内部壁画・ニューディール政策と社会的背景

Night in coit tower

サンフランシスコの観光名所 コイトタワー(Coit Tower) に行ってきました!

コイトタワーは、テレグラフヒルの頂上から街を360度見渡せる展望台として知られています。しかしその内部には、1930年代のアメリカ社会を描いた壁画群 があり、歴史や文化を学ぶ上でも貴重なスポット。この記事では、コイトタワーの歴史、内部壁画、ニューディール政策の背景、社会主義的要素、論争と修正まで詳しく解説します!

サンフランシスコのコイトタワー

コイトタワーの歴史

  • 建設年:1933年
  • 高さ:約64メートル
  • 場所:サンフランシスコ・テレグラフヒル

コイトタワーは、消防士を熱心に支援した社交界の女性 リリー・ヒッチコック・コイト の遺産によって建てられました。彼女の遺産の一部は「サンフランシスコ市を美しくするため」に寄付され、設計は建築家 アーサー・ブラウン・ジュニア によるアール・デコ (Stripped Classicalism) 様式です。

塔の形が消防士が使うホースの先端に似ているのは気のせい?

ぶどう狩りをする労働者たち

内部の壁画|1930年代アメリカの社会を描く

制作の背景

  • 制作年:1934年
  • 公共事業:ニューディール政策(New Deal)の一環、PWAP(Public Works of Art Project) によるもの。
  • 目的:大恐慌で失業した芸術家に仕事を提供し、アートを通じて社会の現実を記録すること。

ニューディール政策とは

  • 1930年代、アメリカは大恐慌の真っ只中にあり、多くの人々が失業・貧困に苦しんでいました。
  • 政府は ニューディール政策 と呼ばれる公共事業・社会保障政策を実施し、雇用創出や社会福祉の充実を図りました。
  • コイトタワーの壁画も、こうした政策のもとで制作された公共芸術のひとつです。

銃を突きつけられる市民男性

壁画のテーマと社会主義的要素

コイトタワーの壁画は27人の若手画家が制作し、ディエゴ・リベラの影響を受けています。描かれたテーマは、当時のカリフォルニア社会の全体像を映しています。

  • 農業:果樹園、収穫作業、女性や家族の労働の姿
  • 工業・都市:工場や建設現場の労働者、都市生活の様子
  • 港湾・漁業:港で働く労働者、船舶の荷役作業
  • ニューススタンド・銀行・図書館:当時の市民生活や情報流通の場面

社会主義的要素

  • 壁画には 労働者階級の力強さや資本主義の矛盾 が描かれ、社会主義的メッセージが含まれています。
  • 具体例:ニューススタンドの新聞には「ストライキ」「共産主義」「ファシズム」などの見出しが描かれ、当時の社会的・政治的緊張を表現。
  • 公開当初は「急進的すぎる」と批判され、一部の場面は検閲や修正の対象となりました。

論争と修正の歴史

  • 一部の壁画はマルクス主義的・社会主義的要素が強く、公開当初は政治的論争を呼びました。
  • 例えば、銀行や刑務所のシーンでは、資本家と庶民、看守と囚人の不平等を描き、権力構造に対する批判的視点が含まれていました。
  • 当初は一部壁画の修正や検閲が検討されましたが、最終的には保存され、今日では アメリカ社会的リアリズムの重要な資料 として高く評価されています。

見どころの壁画(代表作)

  • Maxine Albro「Agriculture in California」:農業と果樹園で働く人々の力強さ
  • Bernard Zakheim「Library」:図書館で学ぶ市民と政治的メッセージ。ここにカール・マルクスの本が描かれています。
  • John Langley Howard「California Industrial Scenes」:工場労働者のリアルな描写
  • Ralph Stackpole「Industries of California」:港湾・建設業の産業シーン

居室へ続く階段

隠れた住人たち

観光スポットとして有名な塔の裏側には、意外な歴史があります。

実は2階に小さなアパートがあり、過去に住んでいた人たちがいました。

ウィリアム・J・ブレイディ夫妻(1930年代)

元陸軍中尉のウィリアム・J・ブレイディ氏とその妻は、塔内の壁画や建物を守るために市から雇われ、住み込みで生活していました。1935年の『サンフランシスコ・クロニクル』紙では、ブレイディ氏の生活を「丸い塔での“ラウンドな生活”」とユーモラスに紹介しています。

ティム・リリークイスト(1980年代)

1980年代に塔の壁画修復が行われた際には、ティム・リリークイスト氏が常駐管理人として塔に住みました。リリークイスト氏は、塔の保護と修復に尽力しつつ、「塔は献堂の日からずっと雨漏りしている」と語ったと伝えられています。

コイトタワーのアパートの構造と現在

アパートは塔の円形に沿ったカーブした壁を持ち、折りたたみベッドや簡単なキッチン、バスルームが備えられていました。現在はスタッフ用オフィスとして使用されており、一般公開はされていませんが、特定のツアーやイベントで内部を見学できることもあります。

展望台からの景色

コイトタワーからの景色。濃霧がかかっている。

タワー最上階の展望台からはサンフランシスコを360度一望できます。今はガラス窓が取り付けられていました。窓がなかったら風がすごかっただろうな…

  • 北側:アルカトラズ島、マリンカウンティ
  • 西側:ゴールデンゲートブリッジ、太平洋
  • 東側:ベイブリッジ、オークランド方面
  • 南側:ダウンタウン、マーケットストリート

観光の効率的な回り方

アクセス

  • 階段ルート(Filbert Street Steps / Greenwich Steps)で登ると街並みや花々を楽しめます
  • 公共交通機関:ユニオンスクエアからバスで「ワシントン・スクエア」下車
  • :駐車場は限られているため注意

チケット

  • 大人:10ドル
  • サンフランシスコに住んでいる人:要確認

所要時間

  • 壁画鑑賞:30分
  • 展望台:30分
  • アクセス含めて 約2時間

周辺の見どころ

  • ノースビーチ:カフェやジェラート、ランチに最適
  • ワシントン・スクエア&教会:写真スポット
  • フィッシャーマンズワーフ:シーフードやピア39観光

知っておくと便利

  • 午前中は空いていて景色もクリア
  • 展望台は風が強いので羽織もの推奨
  • 野生のオウム(ワイルド・パラケート)に出会えることも

 

まとめ

コイトタワーは、

  • 消防士を愛した女性の寄付による記念塔
  • ニューディール政策下で制作された歴史的壁画の美術館
  • 社会主義的要素と論争の歴史を持つ、社会的リアリズムの貴重な資料
  • サンフランシスコの街を一望できる展望台

…という4つの魅力を兼ね備えた、サンフランシスコ観光の必見スポットです。
壁画の社会的メッセージを感じながら、ぜひ歴史と絶景を一緒に楽しんでくださいね!

 

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