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コロナ禍のフライトで起きた「搭乗拒否」!あるお客様の叫び

シンガポール・チャンギ空港で起きた衝撃の出来事

先週、私が乗務したLCC国際線のフライトで、搭乗直前に発狂し、乗務拒否となったお客様がいました。
その方はマレーシアからのトランジットで、チャンギ空港を利用中でした。

ゲートに到着した私たちを待っていたのは、セキュリティに取り押さえられている男性の姿。
叫び声は英語ではなく、言語を理解するクルーに確認すると、

もう何もかも嫌だ!!!

とインドネシア語で繰り返していたそうです。シンガポールやマレーシアのマレー語が分かれば意思疎通できるらしい。

なぜ「搭乗拒否」になるのか?

悲痛な叫びを聞きながらも、私たちは通常通りの機内準備を進めました。
しばらくして、パーサー(上司)とキャプテンがその男性の「搭乗拒否」を正式に決定。

このような措置は、コロナ禍に限らず以前から存在しています。
離陸してしまえば、機内は警察も医療機関も届かない「孤立した空間」
ひとたび暴力や混乱が起きれば、他のお客様やクルーの安全が脅かされるため、少しでもリスクがある場合は、搭乗自体を防ぐ必要があるのです。

驚きの事実:その奥様が搭乗していた

ところが数十分後、驚きの展開が。
なんと、先ほど発狂した男性の奥様が、私たちのフライトに乗ってきたのです。

搭乗前の少しの時間、マレー語が分かる同僚の通訳を通して彼女と会話を交わすことができました。


彼女は涙を浮かべながら、次のように語ってくれました:

 

夫はコロナで職を失いました。母国も混乱していて、彼は私たち家族と彼の両親を養っていたんです。先が見えず、どこにも希望がなかったのだと思います。

真面目で、責任感の強い人です。だからこそ、今まで抑えていた感情があふれてしまったのかもしれません。

彼は今、シンガポールの病院にいます。私も付き添いたかったけど、入国できるビザがなく、ホテル隔離費も払えない。帰りの航空券だけで精一杯でした…。

この言葉を聞いて、胸が締め付けられる思いでした。

コロナが奪ったのは「人の命、仕事」だけではない

新型コロナウイルスの影響は、経済や雇用を越えて、人の心や絆さえも蝕んでいるのかもしれません。

かつてはビジネス客や観光客で賑わっていた空の旅も、今は事情を抱えた人々がほとんど。
彼らの多くはエッセンシャルワーカーや出稼ぎ労働者であり、それぞれの国を支える「見えないヒーロー」たちです。

こうした搭乗者の背景を知るたびに、航空業界の最前線にいる私たちもまた、人として何ができるのかを問われていると感じます。

最後に:誰かの痛みを想像する力を忘れないで

コロナ禍で私たちは、多くのものを失いました。
仕事、安心、希望、そして他人を思いやる余裕さえも。

でも、それでも…。
どうか希望を捨てないでいてほしい。
あなたが報われる日が、必ず来ると信じて!

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