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【海外ボランティア体験】クリスマスイブにサンノゼのホームレス支援に参加して考えたこと

City Team Hope on Wheels

今回は、アメリカ・カリフォルニア州サンノゼで体験したクリスマスイブのホームレス支援ボランティアについてお話ししたいと思います。

この体験は、私にとって「海外生活」と「社会の格差」、そして「自分にできること」について深く考えさせられる貴重な一日でした。

サンノゼのホームレス事情:IT都市に潜む現実

サンノゼと聞くと、シリコンバレーの中心地。ハイテク企業が立ち並び、高年収の人々が暮らす「夢の街」というイメージを持つ方も多いかもしれません。

でもその一方で、2025年1月のポイントインタイム(PIT)調査によれば、サンノゼがあるサンタクララ郡のホームレス人口は10,711人。全米でもトップクラスです。

原因のひとつは異常な物価の高さ。家賃が高騰し、収入があっても住まいを失ってしまう人が後を絶ちません。移住当初、車がなかった私は路面電車やバスで通学していましたが、車内で見かけるホームレスの数は年々増えていると感じました。

真冬に裸足で電車に乗る女性や、独り言を叫びながら去っていく人たち——。そんな光景は、サンノゼの日常の一部になってしまっています。

「何かできることはないだろうか?」と動き出したきっかけ

秋学期が終わり、少しホッとした12月。
ある記事で「寒さで命を落とすホームレスがいる」と読んだとき、胸がざわつきました。

「何か自分にもできないだろうか?」

思わずスマホを開き、クリスマスイブでも活動しているボランティア団体(英語)を探し始めました。

東サンノゼの支援現場へ:多様性のなかで

ようやく見つけた団体は、サンノゼの中でもギャングやホームレスが多いと言われる東側地域に拠点を置いていました。

配車アプリで指定されたコミュニティセンターに到着すると、すでに多くの支援を待つ人々が列を作っていました。

ボランティアの仲間は10人ほど。ラテン系、ベトナム系、高校生、教会の人たち……
その中で、日本人は私ひとり。

誰もが、「自分にできる小さなこと」を手にして集まっていたのが印象的でした。

衛生キットとあたたかい春雨スープを手渡す

配布したのは、歯ブラシや靴下、女性用のタンポンなどが入った衛生キットと、温かいベトナム風春雨スープ。めちゃくちゃいい匂い!

 

なぜクリスマスイブにベトナム風の春雨を渡すことになったの!?

 
 

このボランティア団体にはベトナム系が多いんだ。

 

春雨スープが、まるでコミュニティのつながりを感じさせてくれました。

City Team Hope on Wheels

記憶に残るひとこと:「歯ブラシが欲しい」

配布中、ひとりの白人のおじいさんが近づいてきました。目は虚ろで、か細い声でこう言いました。

 

歯ブラシが欲しい…

 

一緒にキットの中身を確認し、彼に渡すと、力なく「ありがとう」とつぶやき、またフラフラと歩き出していきました。

生活のなかの、たった一本の歯ブラシさえ手に入らない現実。
そんな人々が、サンノゼという先進都市のすぐそばに存在しているのです。

ベトナム戦争、難民、そして今

活動中、ふと以前出会った配車アプリのベトナム人運転手の言葉を思い出しました。

 

俺はベトナム戦争の時に、ボートで逃げてきたボートピープルだ。
命からがらアメリカにたどり着いた。

 

アメリカには、かつて命を賭けてこの国へ逃れてきた人々がたくさんいます。アフガニスタン、カンボジア、モン族、ロシアからのイスラム教徒……。

けれどその後の生活が保障されているわけではありません。難民としてやってきた人々のなかにも、貧困にあえぐ人もいるのです。

メディアの取材、そして考えた「希望」のこと

その日、ボランティア団体には地元テレビ局の取材も入っていました。
取材された代表の方が言っていました。

 

アメリカではクリスマスイブは「家族と過ごす大切な日」。
その日にこうして支援を続けることが、地域への希望につながる。

 

活動後、私は友人とウィローグレン地区のクリスマス装飾を見に行きました。華やかなキャンディケーンが並ぶ通りの帰り道、歩道で車椅子に乗るおじいさんを見かけました。
大量の荷物を吊るし、きっと彼もホームレスなのでしょう。

暗闇に浮かぶその姿を見ながら、ふと考えました。

この世界に、本当に希望はあるんだろうか?

最後に

この経験を通じて、私は「海外=夢の暮らし」だけでは語れないリアルな日常を知りました。

でも同時に、「小さな行動が誰かの希望になりうる」とも感じました。
どんなに小さくても、一歩踏み出せば誰かを支える力になる。

もしあなたが海外で何か社会とつながることをしたいと考えているなら、ぜひ地元のボランティアに目を向けてみてください。
母として、女性として、そして一人の人間として学べることが、きっとあります。

この体験から得た学びまとめ

  • アメリカのホームレス問題は想像以上に深刻

  • 「与える」ことの本質は、物ではなく“尊厳”を渡すこと

  • 多様性の中で、自分にできることを探していく大切さ

次回はホームレス集落に直接行ってきました。

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