ここ最近、インドネシアでインドの変異株が猛威をふるっており、医療崩壊が始まっています。医療崩壊のおかげで外国人は病院にかかることができず、日本人14人が亡くなりました。(2021年7月13日現在)日本政府は邦人の希望者が速やかに帰国できるよう、帰国の特別便を手配したみたいですね。
インドネシア便の取り決め
私はシンガポールからジャカルタの便に乗務することがありました。今まで60人以上の乗客がいない場合、防護服の着用は義務化されておらず、乗客はメイドさんやトランジットの労働者などが多かったので、比較的便数は多かったです。
そして今回、シンガポール民間航空庁(CAAS)のお達しにより、全てのインドネシア便は防護服を着用、インドネシアからのトランジット客は禁止となりました。
ジャカルタ便は片道1時間半くらいなので、基本ターンです。コロナ前も飛行機から降りることなく、そのまま帰りのお客様を乗せて運行していました。今も同じで、変わったことといえば、飛行機から出たらいけないことです。エアロブリッジもNGです。
グランドスタッフ
先週ジャカルタ便に乗務したところ、驚いたことが。まだCAASにより防護服の義務化がなされていない時期でしたが、パーサーの意向により防護服を着用していました。(←これは可)ちょうどインドネシアで感染爆発のニュースが入ってきた頃でしたからね。
ジャカルタに到着し、ドアを開けると、軽装なグランドタッフ3人(多すぎ)が立っていたのです。普段、グランドスタッフは東南アジアの場合、フィリピン以外の全ての便では防護服がデフォルト。スマホまでジップロックに入れている人までいます。特にベトナムはちゃんとしていて、クリーンルームにいるような格好。
なのに…
彼らはマスクのみ。
私たちは防護服+ゴーグル+サージカルマスクの出立ち。完全に温度差あり。
その後、グランドスタッフが機内に入ってこないよう、入り口に侵入禁止のバリアテープを張りました。(機内設備)なんだかやりすぎという意見もありますが、こちらが感染したらたまったもんじゃない。紙のやり取りも二重手袋で行い、触ったらすぐに手袋を取り替えました。
更にコロナ禍のニューノーマルで、ドアクローズするとサニタイザーを全身で浴びるという恒例行事まで繰り広げられます。
現地の日系企業では
友人の会社ではインドネシア支社があり、ジャカルタ近郊に工場があります。そこの駐在員も数人既にコロナに罹っており、命に別条がないので良かったのですが、医療崩壊しているので病院に行けなかったとの事です。ほとんどの駐在員はコロナ帰国便で日本に帰るようですが、支社長だけは残るとの事。飛行機のキャプテン、船の船長みたいですね。なんとか無事でいてほしいです…
ワクチン
インドネシアのワクチン状況はあまり詳しくないのですが、中国製のワクチンが多く入ってきているようです。安価なのと、インドネシア政府は中国と仲が良いので発注したんでしょう。実際、あの国は中華系インドネシア人が経済を回していますしね。
知り合いの駐在員が中国製のワクチンを1回受けたそうで、帰国しても2回目を打つことができないと嘆いていました。基本、2回目も同じワクチンでないといけないんです。2回目の接種を受ける前に、帰国便に乗って日本に帰ってしまうと、ワクチンが打てないので困っています。
まとめ
ジャカルタのグランドスタッフが軽装だったことで、インドネシアのコロナに対する向き合い方が分かった気がしました。防護服などは必ずしもコロナを抑制できるものだとは思いませんが、「本気度」を見せるためのパフォーマンス要素も少しあると思います。中国製のワクチンはあまり有効性が高いと言われていませんが、インドネシア政府は今後どういった政策を展開していくのでしょうか。およそ2.7億人を抱えるインドネシア。いち早く市民の安全が保障されることを願います。