今回、シンガポールでアメリカの学生ビザ(5年有効)を取得しました。日本国籍の場合、日本のアメリカ大使館などで取得すると思いますが、少しイレギュラーなケースだったのでここに忘備録として残しておきますね。
前回のお話
学生ビザは取得できるのか
まず3重苦だったので、取得にはとても不安でした。もし却下されたら、「以前ビザを却下された経験がある」にチェックをしなければならないし、それならビザ申請をやめてカナダの大学を受け直そうとまで考えていました。
アメリカの学生ビザ
アメリカの学生ビザ取得は、年々厳しくなっています。と言うのも、私が90年代に父親の仕事の関係でアメリカに滞在していたとき、たくさんの日本人留学生を見てきました。学生ビザは学校外でのアルバイトは禁止なのに、日系スーパーで働いていたり、日系スナックでバイトしていた人もいたそうです。そういうこともあり、アメリカ政府は「本当に学業を目的に渡米し、不法滞在や違法就労をしない人のみ」にビザを発行することに。
更に911が起こります。その犯人格は学生ビザでパイロットの勉強をしにきていた人も含まれていたんだとか!
オバマ政権の時には新しいシステムを導入し、更に厳しくなります。2011年以降、北朝鮮・イラン・スーダン・ソマリア・イラクなどに渡航した人は、ESTAが申請できなくなりました。
三重苦
学生ビザを申請にするにあたって、ネックとなる理由が3つありました。
・イラン渡航歴
・年齢・性別
・2020年の合計滞在日数
イラン渡航歴
2017年にイランに渡航しました。大学時代のバックパッカーをやっていた時からイランの遺跡には行ってみたいと思っており、その頃は女性単独で入国ができなかったので、泣く泣く諦めた経緯がありました。
しかし2017年は政情がまだ安定しており、今しかチャンスがない!と思い渡航。また、前に在籍していた航空会社が首都テヘラン行きの便を運行しており、前職を退職する際に無料の航空チケットでイランに降り立ちました。
しかし一度パスポートにイランのビザを貼られてしまうと、アメリカにはESTAで入国ができなくなってしまいます。それが理由で、シンガポールにあるアメリカ大使館でB2ビザを取得しました。この時は実際に大使館に赴き、イラン渡航の理由・旅程・何をしたのか綿密に質問されました。面接官が話しやすい人だったので、あまり緊張しなかったからなのか、晴れてすぐにビザが出ました。(有効期間10年)
その後B2ビザでアメリカへ渡航することになります。毎回180日の滞在許可をもらえていました。何故かESTAより滞在期間が長いのが謎ですね。
年齢
どこの国でもそうだと思いますが、20代後半から30代後半までの婚期の女性に対して、学生ビザを発行することを嫌います。学業が本当の目的ではなく、本当は婚活をしにアメリカへ行き、永住権・国籍取得を目論んでいる人が多いからです。特に日本を含むアジア圏からの女性が多いらしく、毎回単独で入国する際もこのような質問をされます。マニュアルなのかな?
確かに結婚していた時はすんなり入国できていましたが、離婚した途端、アメリカに彼氏がいるのではないかと疑われるような質問をされました。
2020年の合計滞在日数
これが一番不安な要因でした。2020年の3月からコロナで仕事が一気になくなり、ちょうど有給でアメリカに滞在していたときに無給休暇が決定。頭が真っ白になりました。
しかもシンガポールや日本に戻る飛行機も運行がストップされてしまいます。サンフランシスコはロックダウン中。アメリカの一定の地域より危機感が強い人たちが多い地域だったので、まだ安全でした。
入国時にもらえた180日を超えませんでしたが、かなりの日数でした。シンガポールに戻り、1年4ヶ月以上アメリカには足を踏み入れていなかったのが良かったのかもしれません。
学生ビザが発行された理由
こういった3重苦がありながら学生ビザが発給された理由を考えてみました。
・イラン渡航歴
これについては、既に以前保持していたB2ビザで疑いが晴れたのかもしれません。それにイラン渡航時、たくさんのヨーロッパ人や日本人、韓国人トラベラーとの出会いがありました。彼らは口を揃えて「アメリカビザ取得しなきゃ!」と言ってました。
・年齢
誰でも入れるような語学学校だとNGだったかもしれません。私が受けた大学は1校だけで、知名度があり、公立で入学には書類審査がありました。前の大学の成績証明書GPA、職歴、英語テスト(TOEFLなど)、エッセイ、銀行預金残高を見られます。多分、入学が語学学校ほど簡単ではないので「本当に勉強する気があるのかな」と思われたのかもしれません。
・2020年の合計滞在日数
これが最大の謎です。多分ですが、1年以上のブランクがあったので、大丈夫だったのかもしれません。もしくはちょうどコロナロックダウンの時期だったので、それを見越してのことかも。
郵送申請
日本国籍を含む数十カ国の国籍を持っている人は、2021年9月から12月末日まで、面接免除で郵送申請でした。次の記事では郵送申請について詳しく書いていこうと思います。
まとめ
と言うことで、こういった三重苦でもビザは取得できました。
ポイントは、
・ちゃんとした大学や大学院の入学許可があること(知名度があれば尚可)
・なぜアメリカで勉強したいかという理由を明確にしておく
・学業が終わったら、母国へ帰ることをハッキリと伝える
ことだと思います。