皆さんこんにちは!2018年6月にシンガポールの永住権を取得しました。 私はシンガポール国民の配偶者だったので取得できました。今回は永住権取得までの道のりを綴って参ります。
スペック
当時のスペックは…
・シンガポール人の配偶者
・子供なし
・夫婦共働き
・夫は自営業
・税金や罰金などの滞納したことなし
永住権を取得するのに一番申請が通りやすいケースなんじゃないかと思います。
申請回数
私は2回申請して2回目で許可が下りました。
1回目:2015年6月→却下:2015年9月
2回目:2016年12月→許可:2018年6月
2年間の保留
そう、2回目申請後から2年間ずっと「保留」のままだったんです!「まだ待て」という意味だったんでしょうね。そこで却下したとしても、またすぐに申請してくることを食い止めようとしてたんです。笑(多分)
許可が出た日付がちょうど結婚3年目。(日付も同じ)当然ながら偶然ではないですよね。3年以内に永住権を取得した知り合いたちによると、既にシンガポール人との間に子供がいる、妊娠中、シンガポール人配偶者のステータスが高い(公務員など)でした。私の場合、比較的標準の取得年数だったようです。
必要書類と申請方法
詳しくはこちら(英語)に記載あります。
永住権取得のメリット・デメリット
メリット
居住の権利が勤務先の就労ビザに縛られない
転職をする際にも、EPやSPASSなどの労働ビザの場合は退職後一定期間の間にシンガポールを出国する必要があります。永住権の場合それがないのです。
就労が1か所に縛られない
副業することも可能。ちなみに労働ビザのみ所持の場合、ブログ運営で収入を得ることは違法となるので注意です。ビザに記載された場所のみの就業か可能です。その点、永住権はシンガポール国内ならいつどこで就労しても大丈夫です。
よく在住外国人に言われるのが「永住権を取ったら、オファー金額(お給料)の額が外国人として取得した労働ビザのときより低くなる。」というもの。確かにローカル価格ですが、その代わり会社がそのうちの17%をCPF(政府の積み立て金)に払ってくれるのでそこまで不満に思う事はないかと。
CPF加入で、総所得が17%増となる上、複利で高速で金額が増えていく
CPFとは、政府がお給料の一部+会社から支払われるお金を積み立ててくれるシステム。CPFの場合、医療口座だけではなく、退職後の年金や家を購入する時などに利用できる積立金も付随しています。
CPFの加入者は給与の20%を給与から支払い、また雇用者は給与の17%をCPF口座に支払う事が義務づけられています。
CPFには「通常口座」といって、家の購入や子供の教育資金に利用できるもの「特別口座」という、老後資金として貯蓄されるもの、そして「医療口座」という、入院費用などに利用できる3つの口座に分けられます。日本と異なるのは自分が貯蓄した金額だけ受給できるという事です。とってもストレートで分かりやすいですね。
それが理由でまだ所得額が少なかった昔の人たちは、CPF口座にある金額も少ないそうです。そのため、彼らの息子たちが金銭面でも親の面倒をみることがシンガポールでは多々あります。
ちなみに永住権を放棄する場合は全額支払われますが、一度放棄すると二度と申請できないと言われているので慎重に行ったほうがいいと思います。
美術館 博物館などほとんどの入場料が無料
国内の美術館や博物館の入場料が無料です。たまに特別展などで有料になりますが、それでも労働ビザ保持者や外国人観光客よりは安く設定されています。
【番外編】コロナ禍のホテル待機とPCR検査が無料
期間限定ですが、2020年3月21日以前に以下の国以外(*1)へ渡航した国民・永住者は必要であるホテル待機とPCR検査の費用が無料でした。ちなみにPCR検査の費用は2020 年8月31日までに帰国する必要があり、それ以降になると有料になります。費用は最大200SGD。
(*1) 韓国、台湾、マカオ、ベトナム、ブルネイ、中国、ニュージーランド、オーストラリア(ビクトリア州を除く)2020年8月9日現在
デメリット
・男子の徴兵制の義務(2世より)
シンガポール国籍・2世以降の男子には全員徴兵義務があります。これをデメリットと言っていいのか分かりませんが…この制度を素晴らしいと思っている人も一定数います。
基礎訓練が2年間あり、その間、寝泊まりも全て軍施設内で行われます。毎週末は自宅に戻ることができ、そのために1週間分の洗濯物を持ち帰る人もいるんだとか。
この兵役は基礎訓練が終わったあとも毎年40日間、40歳まで引き続き訓練を受けることになります。
ラジオを聴いていると、週末にもかかわらず「招集令」が放送されることもあり、グループによって異なりますが4時間以内に集合しなければならないんだとか。SMSにも連絡が来るので、スマホは手放せないそうです。
だからシンガポール人の若者にはロングヘアがいないんでしょうか。常に招集される恐れがありますから、軍の規定に沿った髪型でないと問題になりそうですね。
再入国許可は5年ごとの更新が必要
悲しいことにシンガポールの永住権は、その名の通りのものではありません。5年ごとに再入国許可の申請を行わなければならないのです。
私のように取得後に離婚してしまうと、次の更新の際、再発行してもらえない可能性が高いです。実質、期間限定の永住権ということになりますね。ちなみに離婚していても、お子さんがシンガポール国籍を持っている場合は許可を得られるケースが多いそうです。
永住権はシンガポールにいないといずれ失効してしまうので、シンガポール国籍(パスポート)をとる人もいます。その代わり、母国の国籍を放棄しなければなりません。シンガポールは二重国籍を認めていない国の一つです。日本も同じですね。
まとめ
以上、シンガポール永住権を取得した経緯、メリット・デメリットを綴って参りました!その他、仕事スキームで取得できるケースもありますが、かなり高所得の場合のみ可能だそうです。シンガポールは昔と比べて厳しくなりましたね。
それではまたー!!!