皆さんこんにちは!今回、15ヶ月ぶりに仕事復帰したアザラシです。その間、ワクチンセンターでお世話になりました。15ヶ月は短くて長いような気がします。いざ仕事に戻ってみると、案外覚えているものです。ただお客さまが減った分、コロナでやることが増えた印象です。
コロナで無給休暇に
2020年3月から徐々に国家間の行き来が難しくなり、現在でも多くの国で隔離・事前のPCR検査が必要とされています。シンガポールには国内線がないので、便数は大幅に減り、乗務できる便が少なくなりました。
私はその時から無給休暇を言い渡され、合計15ヶ月間、飛ぶことができなくなったのです。無給休暇中はワクチンセンターで働いたり、自分が今置かれている状況で出来ることをやってきました。
徐々に便数増加
貨物便
人の往来が少なくなっても、貨物は従来通り…というか、寧ろ以前より増えたようです。行き来ができないからですね。旅客線でも貨物を前より多く積むようになりました。
メイドさんは不可欠な存在
シンガポールは文字通りエッセンシャル・ワーカーが必要です。国民がやりたがらない工事現場の労働者、メイドさんなどは100%海外から外注しています。特にメイドさんは共働きがデフォルトのシンガポールでは不可欠な存在。コロナ禍でも彼女たちの行き来は頻繁に行われています。現在メイドとして入国可能な国籍はフィリピン、インドネシア、ミャンマー。
ミャンマーの場合、現在情勢的に危険なので直行便がありませんが、フィリピンやインドネシアからの便はそのまま運行されています。
そしてシンガポール入国には事前のPCR検査が必要です。検査の精度が低いからなのか、よく入国後の検査で陽性になっている人が多いです。(私の便でもありました)
乗り継ぎ客の増加
そして去年の終わり頃から、シンガポールで乗り継ぎが許可されるようになりました。特に多いのが、コロナ禍で契約終了となった外国人。マレーシアで出稼ぎをしていたインドネシア人労働者、UAEのドバイで出稼ぎをしていたフィリピン人労働者の利用が多くなりました。
今までと全く違う客層なので、意思疎通に苦労。彼らはこんな状況下でも、底抜けに明るかった印象です。母国に着陸すると拍手が鳴り響くこともしばしば。
彼らが飛行機を乗り換えをする際は、一列に歩かされ、前と後ろに誘導する係員がつきます。以前まではトイレに行くことも許可されず、搭乗後にトイレの長蛇の列が…安全距離を保つことが難しいので大変でした。
陽性者が出た場合
乗務した便で陽性者が出た場合、保健省(MOH)の指示を仰ぎます。以前までホテル隔離になることが多かったですが、最近はPCR検査を増やすこと、毎日のSMS確認が多いです。
実際私はそのSMS確認を経験しており、毎日送られてくるSMSに「健康状態OK」の返信をしていました。通常の週1のPCR検査に加え、指定された日に保健省管轄の検査所に出向きました。
もうPCR検査のしすぎで慣れてしまいました。(ちなみにワクチン接種済)
すぐに復帰できなかった?
15ヶ月間乗務していなかったので、保安免許の期限が切れてしまいました。通常、客室乗務員は入社後の試験に受かったあとでも、年1回の試験にパスしないと乗務できません。試験内容は筆記と実技があります。実技ではモックアップを使用した緊急脱出、水泳、火災のシミュレーション。水泳では溺れている人を助ける、火災訓練では実際に消化器を使用して火を消します。
コロナでブランクがあったので、リフレッシャーコースに参加しました。内容は通常の保安訓練+コロナで新たに導入したマニュアルについて。ガウンの着方や消毒の仕方、ミールの渡し方など実地を含めた訓練でした。
その後試験に合格し、晴れてまた乗務することができました。
消毒・安全距離の強化
シンガポール民間航空庁(通称CAAS)によるお達しが多くなりました。
簡単にまとめると、
・乗員全員、週1回のPCR検査が必須に
・PPE(防護服)の着方・脱ぎ方
・搭乗前安全チェックの変更
・降機後のキャビン消毒
・乗客専用トイレ清掃(乗員とトイレは別にしています)
順序を含め事細かく指示されています。お客様が少ない代わりに、徹底した消毒・安全距離を保つことが、より厳しくなった印象です。機内ではゴーグル、サージカルマスク、手袋は必須。更に危険とみなされる便では、追加でヘアキャップ、ガウン、シューズカバーを着用します。もはや外科医や看護師になった気分。
コロナ後はどうなるの?
この徹底した消毒は「ニュー・ノーマル」として今後も継続していくと思います。ただ、ワクチン接種が加速し、集団免疫ができるようになると門戸が開かれ乗客が増えるでしょう。東南アジア諸国は接種スピードが遅いので、数年後になるかもしれませんね。それまでこの自粛ムードは続くと思われます。
それまで皆さんもSTAY SAFEでいましょうね!